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[ESSAY:25] 4年目の始まり

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先日、今年のギャラリープログラムのメインテーマと参加アーティストを公開しました(Gallery Pictor 2022年プログラム《中心はどこにでもあり、多数ある》)。

 

ちょうどこのプログラムが始まる頃に、ギャラリーは開業から3周年を迎えます。こういう形で、通年のテーマを設定してそのテーマのもとに作家に集まってもらうという方法は初めてです。開業当初からそういう方法でやりたいという思いはありましたが、異業種からギャラリーオーナーに転じたので、作家を集められないというのが正直なところでした。

 

このプログラムは、昨年の秋に開催したグループ展 Arts & Library Show [awareness] の拡大版です。[awareness] は、アートを「モノ」としてではなく、世界を広げる「コト・体験」として提示していきたい、という私の思いを形にした展覧会で、展示を見に来て下さった方々から、それまでとは違う反応がありました。

テーマが面白いと言って下さった方、テーマに合わせて選ばれた本が面白いと言って下さった方、読書会に参加してディスカッションを楽しまれた方・・・作家の意図や作品の意味により深く触れていただけたのではないかと思っています。

 

[awareness]の展示を終了した時に、このプログラムの企画を始め、1回完結ではない連続的なプログラムにしようと思いました。しかしだからといって、統一的なメッセージを発するのではなく、作家にとっても鑑賞者にとっても解釈の余地のあるテーマにしたかった。

先日、参加作家たちとキックオフミーティングを開いて、各自にこのテーマに対する制作アプローチを話してもらったのですが、しっかりと主旨を理解してくれていて、彼らが普段から取り組んでいる制作テーマから離れることなく、それぞれの感性でこのテーマを読み解いてくれています。

 

プログラムの皮切りは、312日に始まる全8名の作家が参加するプレ・エキシビションです。ここでは、[awareness]でやったのと同じように、作家の選んだ本や音楽を、作品と一緒に展示し、Arts & Library Show 形式でお届けします。

展示の情報は少しずつ公開していきますので、ぜひ楽しみにしていて下さい!

この記事を書いた人

中島 紗知 |Gallery Pictor オーナー

画業を営む両親の元に生まれ、幼少期より美術に親しむ。監査法人グループ等にて企業のESGマネジメントコンサルティングに従事した後、2019年 Gallery Pictor 設立。 1999年神戸大学卒業、2015年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。東京大学主催・文化庁推進事業「社会を指向する芸術のためのアートマネジメント育成事業(AMSEA)」2017年度修了。

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